ミツバチの翅縮れウイルスの垂直感染ルート
問題意識
ヘギイタダニがいなければ翅縮れ病の可能性はないのか
参照論文
ミツバチの翅縮れウイルスの垂直感染ルート
Vertical-transmission routes for deformed wing virus of honeybees (Apis mellifera)
https://www.microbiologyresearch.org/content/journal/jgv/10.1099/vir.0.83101-0
ポイント
vertical transmission of DWV from queens and drones to drone and worker offspring through unfertilized and fertilized eggs, respectively, was demonstrated. Viral sequences in fertilized eggs can originate from the queen, as well as from drones via DWV-positive semen.
それぞれ未受精卵や受精卵を通して女王蜂や雄蜂から雄蜂や働き蜂といった子孫にDWVが垂直感染することが証明された。受精卵のウイルス配列は、DWV陽性の精液を介して雄蜂はもちろん女王蜂からも由来しうる。
AI with DWV-positive sperm resulted in 100 % DWV-positive fertilized eggs.
DWV陽性の精液を使った人工授精は、100％DWV陽性の受精卵という結果になった。
コメント
ミツバチはDWVを持ち続けていてもヘギイタダニがいなければ翅縮れが起きることはない（？）が、ヘギイタダニが体液とともにDWVを吸い体内で増幅させウイルス価の高いウイルスを注入するから翅縮れないし発育不良を起こす、という理解で良いのだろうか。
また、DWV陰性の蜂群ならヘギイタダニ（DWV陰性）がいても翅縮れ等は発症しないということになる。
その他の情報
Deformed wing virus (DWV) is a positive-stranded RNA virus (Lanzi et al., 2006) that is pathogenic for both honeybees and bumblebees.
翅縮れウイルス（DWV）は、ミツバチとマルハナバチの両者にとって病原性のプラス鎖RNAウイルス。
DWV can be detected in all life stages of the honeybee in the absence of visible disease symptoms.
DWVは目に見える病症がなくてもミツバチの全生涯において検知されうる。
Inapparent infections are transmitted horizontally, whereas covert infections can also be transmitted vertically from parent to offspring.
不顕性感染は水平的に伝わるが、一方で、隠れた感染は親から子孫へ垂直的に伝わる。