疫病抵抗性に関係するミツバチの衛生行動の条件的発現
問題意識
ミツバチの衛生行動はどのような時に発揮されるのか
参照論文
疫病抵抗性に関係するミツバチの衛生行動の条件的発現
Facultative expression of hygienic behaviour of honey bees in relation to disease resistance
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/00218839.1993.11101300
ポイント
Both lines of bees recapped both partially and entirely uncapped live brood, but non-hygienic bees also recapped partially uncapped freeze-killed brood, suggesting that non-hygienic bees either could not detect dead or diseased brood or avoided it by sealing it within a comb cell.
両方の蜂の系統は、未蓋がけの生きた蜂児に一部ないし全体に蓋がけしたが、非衛生蜂は、冷凍して殺した未蓋がけの蜂児にも一部蓋がけした。このことは、非衛生蜂は死んだ蜂児か病気の蜂児かを検知できなかったか、巣房に蓋がけすることでそれを忌避したことを示唆している。
Adding 20–30% young hygienic bees to non-hygienic colonies did not increase the degree of hygienic behaviour, but adding young non-hygienic bees to hygienic colonies suppressed the behaviour. The results suggest that although hygienic behavior is genetically determined, its expression depends on colony strength and composition of workers within the colony.
若い衛生蜂を非衛生群に20-30%追加しても衛生行動の程度は増えなかったが、若い非衛生蜂を衛生群に追加すると衛生行動は抑圧された。結果は、衛生行動は遺伝的に決定づけられているが、その発現は、群れの強さとコロニー内の働き蜂の構成に左右されることを示唆している。
コメント
幼虫の様子を調べずに蓋がけする働き蜂がいることに驚かされた。
結局のところ、強勢群であることの重要性が強調されることとなるが、強勢群でもヘギイタダニにやられることは珍しくないことから、衛生蜂でヘギイタダニに対応しているという結論にはならないと思われる。
その他の情報
なし