アカリンダニが存在する時のセイヨウミツバチのグルーミング行動


問題意識


アカリンダニに対するセイヨウミツバチのグルーミング行動


参照論文


アカリンダニが存在する時のセイヨウミツバチのグルーミング行動
Grooming behavior by Apis mellifera L. in the presence of Acarapis woodi(Rennie)(Acari:Tarsonemidae)
https://hal.archives-ouvertes.fr/hal-00891491/document


ポイント


夜にグルーミングダンスはかなり増加するが、相互グルーミングは減少する。

アカリンダニが寄生した巣箱に弱齢蜂を入れると、多くの1-3日齢の蜂がグルーミングダンスを行うようになった。

相互グルーミングを行うかグルーミングダンスを踊るかは系統によって傾向がある。

相互グルーミングを行う系統はアカリンダニに最も感染しており、グルーミングダンスを行う系統は最も感染していなかった。

グルーミングダンスを行う系統は体のダニを見つけ出す閾値が低いため、ダンス行動や自己グルーミングが多くなる、と推測される。


コメント


一人相撲のような行動はグルーミングダンスだった。グルーミングダンスを自己グルーミングと呼ぶ学者もいるが、なぜグルーミングダンスと呼ばないのだろうか。

ダニに対する閾値があるというのは興味深い。また、これは、系統によって耐性に差があることを意味することになる。

セイヨウミツバチはグルーミングを行うのでアカリンダニは問題とならないが、なぜそれよりも大きなヘギイタダニは見過ごすのだろうか。


その他の情報


アカリンダニは、生涯の全てのステージを成虫の呼吸器系で過ごす。交尾したメスのみ新たな宿主蜂に移動する。アカリンダニは、宿主から降りて巣脾や他の構造物に乗ることはできない。アカリンダニに寄生された群れの巣脾を調べても生きたアカリンダニを見つけることはできない。

寄生するのは3日齢までの成虫。

ダンスを踊っている蜂に反応した蜂が相互グルーミングを行う。

相互グルーミングは、ある程度遺伝的に決定されている。

相互グルーミングは、主に胸部に対して、特に翅の基部の周辺で行われる。

自己グルーミングには中脚が用いられる。

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