ロイヤラクチンは女王蜂を王にしない


問題意識



ロイヤルゼリーがメスの幼虫を女王蜂にしていることは昔から知られていたが、その何が女王にしているのかは何十年も不明だったところが、鎌倉昌樹氏がロイヤラクチン(MRJP1)を特定した。そのため、natureにも載ったし、世界的ニュースにもなった。

しかし、追試により否定され、それもnatureに掲載された。

一体どちらを信じればよいのか。


参照論文


ロイヤラクチンは女王蜂を王にしない
Royalactin is not a royal making of a queen
https://www.researchgate.net/publication/308389248_Royalactin_is_not_a_royal_making_of_a_queen


ポイント


追試の結果、50%のロイヤルゼリーでは、100%女王になるところが、15%未満だった。

52匹は働き蜂に、90匹は働き蜂様中間カーストに、12匹は女王蜂様の中間カーストに、5匹は女王蜂(3.2%)になった。100%の女王率はあまりに高すぎる。

体の大きさの違いも大してなかった。

ロイヤラクチン(MRJP1)がなくても完全な女王蜂を得ることができた。

オリゴマーのロイヤラクチン(MRJP1)を幼虫に与えると5日までに全滅した。

結論として、ロイヤラクチン(MRJP1)もMRJP2もMRJP3もMRJP5も女王蜂決定にとって不可欠ではない。

女王蜂になるのは、主に食餌の量のため。バランスのとれた多くのタンパク質が女王蜂にしているのであって、単一の決定化合物がそうしているわけではない。


コメント



最新研究を本にホイホイ盛り込むのは危うい。


その他の情報


 ロイヤルゼリーに花粉を入れても働き蜂になるわけではない。花粉は無関係(昔の研究)

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