高グルーミング系統蜂と低グルーミング系統蜂の寄生ダニ・ヘギイタダニを取り除く能力は、環境条件に影響される
問題意識
高グルーミング系統蜂は常に高グルーミングなのか。
参照論文
高グルーミング系統蜂と低グルーミング系統蜂の寄生ダニ・ヘギイタダニを取り除く能力は、環境条件に影響される
The ability of high- and low-grooming lines of honey bees to remove the parasitic mite Varroa destructor is affected by environmental conditions
https://www.nrcresearchpress.com/doi/abs/10.1139/Z08-083
ポイント
Differences in grooming between lines were greatest at 25 °C and were slightly higher under conditions of low humidity than at higher levels. Mite mortality rates were greater in high-grooming groups of caged bees than in low-grooming bees held at 25 and 34 °C but were similar at 10 °C.
During winter, colonies with high-grooming bees had higher daily mite mortality rates than unselected colonies.
系統間におけるグルーミングの差異は、25℃が最も大きく、高湿度よりも低湿度の場合の方が若干高かった。ダニの致死率は、25℃と34℃の場合、低グルーミング系統蜂よりも高グルーミング系統蜂の方が高かったが、10度では同じだった。
冬季において、高グルーミング系統の群れの方が、日々のダニの致死率は高かった。
コメント
温度が低いと系統的素質は発揮されない。しかし冬においても高グルーミング系統はその素質を発揮していることから、高グルーミング系統は冬でも高温を維持している。しかしその結果、体力を使いすぎて死んでしまっている可能性がある。
その他の情報
Bee mortality rates were greater in high-grooming lines than in low-grooming lines under low temperatures, indicating that there may be a biological cost associated with grooming behaviour at low temperature.
低温下において蜂の致死率は、低グルーミング系統蜂よりも高グルーミング系統蜂の方が高かったが、このことは、低温下におけるグルーミング行動は生物学的コストと関連性があるのかもしれない。